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特集「レーザー加工」~試作専門メーカーとして地位確立

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マシニスト出版株式会社「SHEET METAL」 2004 (平成16) 年4月号

創業から

1987 (昭和62) 年10月、現社長である西山隆氏が株式会社西山技研を創業。

Rapido
Rapido
それと同時に、アマダが当時イタリアのレーザー加工機メーカー、プリマ社と提携して開発した 3 次元レーザー加工機オプティモ (1.25kW) を導入。当時から常に最先端の設備を導入し続けこの地で試作メーカーとしての地位を確立していく。翌年には国内初の本格的オフラインティーチングマシンを導入。その後レーザー2号機として 1996 (平成8) 年に 3 次元CO2レーザーRapido(2kW)を導入し、以降 1998、1999、2003 (平成10、11、15) 年にアマダ製 3 次元レーザー (3kW) LC3015θ(シータ) を相次いで増設していった。

現在はすべてアマダ製の 3 次元レーザー加工機4台(3kWは3台、2kWが1台)が稼動中。そして平成12年にはアマダ製2次元レーザー加工機LC1212αⅡを導入。これらのレーザー加工機5台をフル稼働させる同社は試作専門メーカー。複数の自動車メーカーを得意先に持ち、4輪・2輪・レース用2輪の試作部品製作を得意とする。3500平米の工場敷地にはレーザーの他に大型マシニングセンタ2台、NCルーター1台、プレス機5台、フライス盤・旋盤が各2台、Mig・Tig・スポット溶接機、3 次元CAD/CAMはスペースE・UGを4セット、AP100を1セット使用している。

専務取締役の西山広明氏にお話を伺った。


-1987 (昭和62) 年に 3 次元レーザー加工機を導入された経緯を教えて下さい。

この西山技研が創業される10年ほど前から、社長が個人で会社を創業をしており、その西山板金工業所* は現在も協力会社です。当時から自動車関連の試作の仕事をやらせて頂いていたのですが、レーザー導入以前はコンターマシンで切ってグラインダーで仕上げるという手作業が主で、4輪のドア補強部分などに使われる素材はハイテン材(高張力鋼) 80k鋼、板厚も2.3mmと硬く、切断するのに握力を使い過ぎて手が笑ってしまう状態でした。

* 現・株式会社西山板金工業

レーザー加工のイロハも知らない状態から導入に向かって動き始めたのが1985 (昭和60) 年。3 次元レーザー加工機を初めて見たのは浜松にある会社で、日本で初めて 3 次元レーザーを導入された第1号機ユーザーでした。レーザーというのは本当に画期的な機械だと思い、精度的な問題も解決して導入に至りました。順調に動いている時は神様みたいな機械だと思いました。

-その 3 次元レーザー1号機は当時アマダが提携して販売されていたイタリア・プリマ社のオプティモですね。

optimo
optimo
1号機は素晴らしいところと、もうちょっとと思う部分の差が大きかった1台ですね。その後アマダさんはプリマとの提携を解消されて自社でもカンチレバータイプの 3 次元レーザー加工機「θ(シータ)」を開発され、年々に増設していったのですが20年前と今を比べても日進月歩の技術革新が行われてきたように設備した機械も年々改善され使いやすくなっていきました。


-試作メーカーとしての工程の流れを教えて下さい。

自動車メーカーから戴いた製品データに基づいて金型 (簡易型) 作りから始めます。ルーターで樹脂モデルを作り、工場内にある溶解炉で ZAS 型、FC 型を作ります。それを油圧プレスで成形加工して成形品を作り、その周辺を 3 次元レーザーでトリム加工したり、カットしたり、ピアス加工で穴あけを行います。自動車の試作はロットが少なくても多くても 100、200 の世界です。絞り型を簡易型で製作すれば後の加工をコンプリートさせて、試作を終了させることができます。3 次元レーザー加工機で加工する板厚としては 9mm までが多く、2 次元レーザー加工機では 12mm まで切っています。

型からアッシーまで全部を賄う設備とその前後、一貫した総合力がないと試作メーカーとは言えないですよね。当社は働いてくれているエンジニアの技術と工場設備で他所の試作メーカーと比べても高品質・短納期において、他社との差別化を図っています。

-新車の開発も各メーカー活況ですが。

二輪などの場合、仕掛けた試作が半年後には新車として登場する程開発スピードも上がっていますので、納期はあってないようなものです。お受けする場合もデータ一括でなく徐々にやってくることもあり、受け取りから出荷まで 2 週間あれば良い方ではないでしょうか。お蔭様で繁忙期が続き、他業種と比べて受注の山谷は大きいと思うのですが、試作が重なる時はものすごいピークになり昨年 3 次元レーザー加工機「θ」を 1 台増設したのですが、忙しさは変わらない状況です。

-アマダ製 3 次元レーザー加工機を選び続けられる理由は。

やっぱり営業、サービスマンが良くやってくれているからだと思います。スーパーサービスマンがいて本当に献身的にやってくれました。私どもの仕事は特急、飛び込みが当たり前、納期も無く常に待ったなしの状態です。機械に不都合が起こっても明日来てくれるのではもう遅い。即対応して戴いて夜明けまでメンテしていただいた経緯もあります。そこまでやって下さるメーカーは恐らく他に無いのではないでしょうか。


社内管理

-常に即対応ですと社内の生産管理はどうされているのですか。

実際に私や工場長が大きく管理している状況です。当社の場合レーザー班とハンドワーク班に大きく 2 つに分かれています。それぞれの長が取り仕切り、データから多くの変更がかかることが多いので、データから起こした図面と設変情報をつけて各担当に渡していきます。即応・変更で逆に指示書を出すことが余分な作業になりますので、進捗管理は班長はもちろんエンジニアも心得てくれています。

-量産は海外移転していますが。

国内需要は頭打ちですから、これからますます海外生産は増えると思います。しかし、こと試作ということになると今のところ全て国内で、ここしばらくは海外で移転されることは少ないのではないかと思っています。しかし、最近国内メーカーからも欧州デザインやアメリカデザインの新型車も出始めており、楽観はできません。しかし、2 週間でモノを作ることは日本以外ではまだできないと思います。量産は海外ですが、試作は日本に残っていく分野だと思います。日本の製造業界全体がこれからは試作製造国を目指す必要があると思いますし、それには 3 次元 CAD と 3 次元レーザー加工機は必需品になるのではないでしょうか。

-自動車業界はいち早く 3 次元 CAD/CAM の普及が進んだそうですね。

はい。当社も1992 (平成4) 年から 3 次元プログラムを導入しています。当時からプログラムを専門に勉強された社員を採用し、現在プログラムも専任の CAD オペレータは 3 名います。当社は毎年新卒採用をしており、この 4 月にも若い 3 名が入社します。


その品質を次世代に

-工場を回らせていただくと若い方が活躍されていますね。

平均年齢も 30 歳と若く、入社してから忙しい中で自然と先輩たちの姿を見て学ぶと同時に社長自らが技術の勉強会を開き手取り足取り教えています。若い人が多いせいか皆良いチームワークで仲が良く、忘年会でも何でも若い人が主役です。そのためか当社の定着率も高く、着実に今の西山技研の技術を次代に託しているのだと思います。

-今後の夢を教えて下さい。

今後は自動車以外の試作も受けるメーカーとして出来るだけ多方面にいきたいという希望はあります。夢はやはり試作メーカーでナンバーワンになりたい。そして従業員が安心して働けて、結果豊かな生活を送れるようになって欲しいなと思っています。

3次元レーザーの進歩と併走し、試作メーカーへの道のりを着実に歩む同社の未来に期待したい。